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こんにちは!教員の三浦紗綾子です。キャリアカウンセラー小尾祥子さんをお迎えして、三浦ゼミ主催の講演会・対話会を行いました。仕事(キャリア)だけでなく、私生活(プライベート)も含めて、自分の道を進んでいくためのたくさんの気づきをいただきました。
参加した学生の感想
4,5限に渡って2コマ行われた対話会のテーマは「家庭を持ちながら働くこと」で、学生たちからは次のような感想がありました。
・自分の人生のパスを具体的に説明して下さったのがわかりやすくてよかったです。
・家庭を持ちながら働くことについて、解像度が上がりました。
・女性が仕事をやめることは女性だけの問題と思っていたが、パートナーにも「一家の大黒柱にならなければならない」という負担をかけることだと知りました。
・仕事を続けることを前提とした場合のパートナー選びのポイントも知りたくなりました。
小尾さんのキャリアパス:学食のおばちゃんからキャリアアドバイザーに!
学生の感想にもありますが、小尾さんのキャリアパスは興味深かったです。
大学時代からキャリア支援に興味があった小尾さんは、それに関連する会社で働いていました。ただ、結婚・出産後、パートナーの都合もあり専業主婦にならざるを得なかったそうです。キャリアに関する対人支援に携わりたいと考えていましたが、実際にはなかなか難しいことでした。専業主婦では子どもの保育園の待機順が700番台、しかし子どもを預けなければ働けない。どうすればいいの?
しかも当時は『日本経済新聞』を読むのが苦痛になるほど自信を失っていました。社会は自分とは関係ない世界になってしまったようで、再び働けるようになるのか落ち込んでいってしまったそうです。
あるとき、ママ友がファミレスのランチの時間にアルバイトをしているということを知った小尾さん、ランチの仕事なら幼稚園(※保育園より預かり時間が短い)のお迎えの時間と調整できると思い至り、ひらめきました。
大学生の実態を知るべくまずは、大学の学食で働くのはどうだろうかと。学食での調理職なら、何年も働いていなかった自分でもなんとかできそうだとも思ったそうです。
近所の大学でまさに求人が出ていたので学食のおばちゃんになり、社会とのつながりを再び持つことができ、その同じ大学でキャリア支援部の求人が出ていることを知り応募、今はそこでキャリアアドバイザー職として働いています。
アルバイトとして調理職に復帰した際にパートナーもとても喜んだそうで、「夫も、家計を支えなければならないというプレッシャーにさらされて大変だったのだ」とも思ったそうです。
小尾さんからのメッセージ
「大学で、学食のおばちゃんからキャリアアドバイザーに!」。人にはさまざまなキャリアパスがありますね。
大学までは自分の進む道はほぼ自分で決められます(親や学校の先生などに影響されつつも)。しかしその後パートナーと生きることを決めたり、子どもができたり、親が年老いたりすると、自分だけの都合ではキャリアも私生活も決めることができなくなります。
それへの備えは、まずは「自分はどうしたいのか」を考え、それをパートナーとコミュニケーションしておくことだと小尾さんはおっしゃいます。曰く、「自分は、結婚後のキャリアについて全く考えていなかった失敗例なので、そこから学んで欲しいです」。
ご自身では失敗ばかりとおっしゃいますが、ともともと、「国家資格キャリアコンサルタント」や「GCDF-Japanキャリアカウンセラー」の資格を取得していて、専業主婦時代も細々と勉強を続けていました。また、人権やジェンダーの問題に興味を持って社会人になってからも学び直しを続けていました。そうしたことの積み重ねと偶然とによって、現職では大学生にキャリアアドバイスをしていらっしゃいます。とても不思議で面白いです。
就職のその先を見据えて
現職では、就職後の転職も見据えてアドバイスをするそうです。大学生は、就職するのに必死で、それがゴールになりがちです。しかしそれで終わりではありません。転職も多い時代です。同じ会社で働き続けるにしても転職するにしても、評価されるのは、「何をどのようにして働いてきたのか」と「どのような成果」を出してきただから、「一つ一つ大切に積み重ねて行ってね、一見遠回りに見えても様々なルートで進みたかった方向に進んでいけるよ」、との小尾さんのアドバイスは、彼女の経験があるからこそ説得力があります。
三浦ゼミの皆さん、ゲスト参加してくれた学生の皆さん、自分の進みたい方向に向かって、一歩一歩進んでいきましょう!