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就活戦略をアルバイトの延長で考えない

飴善晶子教授インタビュー(後編)

ビジネスデザイン学科の専門科目「ホスピタリティ・マネジメント」「インバウンドビジネス論」「経営理念と企業倫理」「女性のキャリア形成とビジネス」や、ゼミでは「地域活性」について展開されている飴善晶子先生に、ご自身の航空業界でのご経験や、学生の「就活」にいてお伺いする連載の後編をお届けします。(前編「揺らがないホスピタリティとは」はこちら

飴善晶子・ビジネスデザイン学科教授

学科ブログ編集部:

飴善先生はビジネスデザイン学科のキャリア支援委員を、学科創立以来ご担当いただいています。ご自身の30年以上の実務経験を活かしたアドバイスもいただけるということで学生からも頼りにされていますね。

就職率ナンバーワンの昭和女子大と言われて久しいのですが、本学を目指す受験生や、現在就活に励む学生たちへのメッセージをお願いします。

飴善: 

 常々学生にも話しているのですが、「就職」は、「就職すること」がゴールではないのです。報酬をもらって仕事をする経験は、多くの学生の場合、まず「アルバイト」からでしょう。自分の自由に使えるお金がほしい、ということですよね。

 就職を、時給いくらというアルバイト経験の延長線で考えてしまっている学生を見ると残念だなと思います。

編集部:

学生のほとんどは、アルバイト経験だけで就職活動に挑むので、どうしてもバイト先選びの感覚を切り替えるのが難しい面もあります。

飴善:

「お金がほしいから働く」、「生活するために働く」・・・もちろんそういう面はありますが、人が社会人として「働く」ことには、それ以上のもの、例えば、それが誰かのためになっていたり、何かのためになっていたりと感じるような日々の喜びがあったり、そこから新たな発想が浮かんだり、次の目標が持てたり、夢を持ったりすることがあることを知って欲しいのです。

「働く」ことには、そのようなやりがいや生きがいといった、人生の醍醐味も含まれていると思います。そのためには、今、この時間を自分は何に、どのように使うのか。自分が手綱をもって動くという姿勢を持っていることが大切だと思います。

編集部:

自分が自分の手綱を持つ。なるほど・・・。

飴善:

就活のために採用試験のESシートの「ガクチカ」(学生時代に力を入れたこと)に書けるような何かをしなくちゃ、とか、採用されるためにSPIやTOEICの点数を上げなくちゃ、といったことに囚われすぎると、「内定をもらうこと」が合目的化してしまいます。

そうしたことの向こう側にあるもの――自分の言葉で話し、自分で選んで、誰かの・何かのせいにせず、簡単にあきらめないでやり抜く覚悟――を養ってほしいと思います。

前編で、社会人にとって、現場での経験の積み重ねがマネジメントに活かされていく話をしましたが、大学生も同じです。大学の科目で得られる知識以外に、失敗を恐れずにいろいろなチャレンジや体験をすべきだと思います。「現状をしっかり見る」「現状を率直に受け止める」というのは、心身ともに若くて柔軟な時期こそ養うことができます。あちこち揺れ動くのではなく、自分の核(手綱)をしっかり持って、あきらめずに活動してほしいと思っています。

編集部:

 今日はありがとうございました。