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【GB学部10周年】ビジネスデザイン学科誕生に秘められた想い

ビジネスデザイン学科は、2013年に設立され今年で10周年を迎えます。本記事では学科を設立した目的、どのような学生を育てたかったか、などについて設立当時の藥袋先生、飛田先生にインタビューしてまとめました。ご協力いただき感謝申し上げます。

(女子大初の本格的なビジネス系学部)

ビジネスデザイン学科が誕生した背景には、女性が経済社会で主体的に活躍するために、必要な学力や能力、実践する力を身に着ける学科(教育課程)を創りたいという昭和女子大学の強い意思がありました。昭和女子大学では、それ以前にも、女性の社会活躍を念頭に、教育や福祉などの分野で新学科が設立されてきました。こうした考え方を引き継ぎつつ、新たな挑戦として、2013年に女子大で初めての、グローバルな視点を持って本格的にビジネスを学ぶことができる学科としてビジネスデザイン学科は誕生しました。

(与えられた仕事を誠実にこなすだけでなく、ビジネスを通じて新しい価値を創り出す学生を育てる)

学科の名称は、与えられた仕事をこなすことに安住するのでなく「ビジネスを自らデザインして創り上げる人材(女性)」の輩出を目指してビジネスデザイン学科と名づけられました。こうした学科の哲学は、具体的な科目の内容にも大きな影響を与えてきました。

例えば「ビジネス開発研究」という授業は、企業等の第一線で活躍する実務家を、多数講義にお招きし、臨場感あふれるライブ・ケースを通じてビジネス開発の現場の姿を直接学生に伝えてもらうことが狙いでした。これら実践的カリキュラムは、この10年間、時代に沿ったビジネストピックを取り入れながら常にアップデートされてきました。

3年次になると専門科目はグローバルビジネス&サステナビリティ、マーケティング&イノベーションとマネジメント&エコノミクスの3領域から選択することができます。グローバルビジネス&サステナビリティでは、国際ビジネスに不可欠な語学力や視野作り、共感力やリーダーシップを養うことを目的としています。マーケティング&イノベーションでは、顧客志向型のビジネスを構想、開発できるマインドと知識を養います。マネジメント&エコノミクスでは、複雑な経営・経済現象を読み解き、課題とその解を導く思考力を磨いていきます。またビジネスデザイン学科では、三つの領域だけでなく自由選択という選択肢も設けており自分が目指す将来に向けて学ぶことができます。

また、1年次前期でプロジェクト型学修形式のグループワークを指導するティーチング・アシスタント(TA)制度があります。立候補者の中から3年次のTAに就任し、専門的な研修を受けファシリテーションスキルを身につけて授業を行います。TAについてはまた別の記事で詳しく紹介します!

さらに昭和女子大学は、米国マサチューセッツ州のボストンに海外キャンパス「昭和ボストン」を保有していますが、経済学や経営学などの専門科目を英語で学ぶカリキュラムを必修として全学科生が19週間以上留学します。難しい専門科目を、母語でない英語で学ぶのは、二重の労苦を学生に強いているように見えますがそうではないのです。経済学や経営学を英語で学ぶことは、日本語だけでは分かりにくい、それら学問の概念の深い理解につながりますし、英語は単なる記号ではないので、概念やフレームワークの使用を通じて、グローバルに通用するコミュニケーション能力が培われます。英語や専門科目が得意な学生にとっては、ボストン留学は自分の能力を伸ばすまたとない機会ですし、仮に得意でなかったとしても、仲間と一緒に楽しみながら留学生活を乗り越えた経験は、学科の全学生にとって貴重な実践力・社会力を培う機会となることでしょう。

(学科の価値は、所属する学生と先生で決まる)

こうした教育への考え方は、はじめから学科の全教員で共有されていたわけではありません。女子大学による経営・経済分野の専門学科の設立というのは、前人未到の「新たな市場」を創造することそのものでした。いろいろな試行錯誤がありました。意見の食い違いもありましたし、失敗に終わった試みもありました。それでも、学科の先生方の熱心な取り組みと、入学してきてくれた学生たちの頑張りや努力によって、徐々に良い結果が生まれ、それが評判になって学科の人気が高まる。そういった良い循環が生まれてきたように思います。

学科の価値は偏差値で決まるものではありません。学科の学生と先生がどれだけ「より良いものにしたい」という気持ちを持ち続けられるかによって、社会からの評価も定まり、その評価が良い学生を、良い先生を学科に惹きつけます。

10周年は一つの区切り、通過点ではありますが決してゴールではありません。ビジネスデザイン学科の評価は、あなたがた学生一人一人がこの4年間だけでなく、これからの人生において自分のビジネスとライフプランをどれだけ価値あるものにデザインできるかにかかっていることを、どうか忘れないで欲しいと思います。

(そして学科の卒業生たちと在学生たちが、縦につながっていく「シスターフッドの時代」へ)

私たち教員は、この節目の年が、新たなフェーズの幕開けとなってほしいと願っています。それは、学科を巣立ち、それぞれの場所で「自分の仕事」を切り拓いた各世代の卒業生たちが、在学生を巻き込んで縦につながっていく未来です。ビジネス活動は、人間のネットワークづくりそのものでもあります。同じ学び舎とスピリットを共有した人々が、情報を交換し、共に助け合い、刺激し合う場を通じて強く結びつき、そこから新たなビジネスの創造が起こることこそ、学科設立時の想いの真の具現なのです。

ビジネスデザイン学科は、卒業生の皆さんの背後にあって、いつでも皆さんを応援しています。

この記事はグローバルビジネス学部10周年を記念した第一弾の記事です。(第2弾はこちら→https://business.swu.ac.jp/blog/2023/10/13130.html)

取材・編集:ビジネスデザイン学科3年生ウェブマスター 今井 花菜/茅野 怜/岩瀬 優希