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6月2日(木)今井ゼミは、東京工業大学治部れんげ准教授のゼミおよび本学会計ファイナンス学科小森亜紀子ゼミと合同ゼミを実施しました。治部ゼミの学生さんは中国から留学に来ている大学院生と研究生でした。それぞれが自分の研究テーマについてプレゼンテーションをした後、3つのグループに分かれてディスカッションをしました。様々な研究についての発表を聞いた後のディスカッションは、あっという間に時間が経ってしまう充実した内容となりました。今井ゼミ生の感想は以下の通りです。
宮田悠里(3年生)
治部ゼミの留学生の方々の話を聞いて日本に通じる部分があったり、反対に日本とは異なる部分に気付けました。日本では政府が主導している「女性の活躍」を批判するようなそごうの広告があったり、むしろ政府が女性を性的に捉えた広告物を出していたりしますが、中国では政府の力が強いのでなかなか政治的発言や政府の行動を批判するような広告はまず出せないとおっしゃっていたのが印象的でした。また、こうした話から政府が強い力を持つので、たとえ日本であれば炎上していたかもしれない政府からの広告物も炎上しない、批判的な意見が消されるといった出来事もあるのではないかと推測しました。
また、小森ゼミの日本の宗教に関する研究をされている方の発表も興味深かったです。今まで意識したこともなかったですが、確かに日本人はクリスマスや結婚式はキリスト教に乗っかり、人が亡くなれば仏教のルールに従い、新年は神社に行きます。よく考えたらおかしな話だなと考えさせられました。
石川ひかり(3年生)
今回の合同ゼミでは中国の女性について学ぶことができ、自分の記事のテーマについて、中絶に対する中国の方の認識などを聞くことができました。中国の方がテーマにしていた働く高学歴の女性が抱えるジレンマ、子女冠姓権、フェムバタイジングはどれも面白く、日本と共通した問題も多かったため、より身近に感じました。特に印象的だったのは、中国の高学歴女性についてです。初婚年齢が29歳、第一次出生時の年齢が30歳というところは日本と近い物がありましたが、大学院の進学率がとても高いこと、日本や他国の大学院に進むことは中国にとっては普通だということを知り、驚きました。
また、小森ゼミの方の幼稚園の先生はなぜ若く見えるのかというテーマも面白いと思いました。幼稚園の先生をしている友達は日々疲れ切っているように見え、そのように感じたことがなかったため、もしほとんどの先生が若く見えるのだとしたら、なぜそう見えるのかとても気になります。
自分の記事に関しては、中国の方が関心を持ってくださり、中国では一人っ子政策によって中絶をほとんど強制的にしなければいけなかった事や、現在でもそこまで重く捉えられていない人が多いことなどを教えてくださいました。
村田澪(3年生)
治部先生も最初におっしゃっていたように中国は日本よりジェンダー格差がないというイメージを持っていましたが、ジェンダー格差に日本と同じような課題があると思い、親近感を得るのと同時に中国が同じ課題に対して取り組んでいるアクションを参考にして記事を書いたり、日本への提案の記事を書くのもよいのではないか、と思いました。治部先生のゼミ生の方からは中国のリアルな話を聞けました。中国では風俗などの性産業が違法化されておりその取り締まりは厳しく行われていることがわかりました(例えば、新聞にそのようなことをほのめかすような言葉が入っていた時点でアウトになるなど)。
日本は中国のように厳しく取り締まるのとは真逆で、働いている人を守ろうとする動きが出始めているため、新しい視点への理解が深まったと感じます。また、中国人女性へのアンケート結果がたくさん発表されていましたが、若い女性はステレオタイプへ抵抗する人が多くいました。この結果はジェンダー平等が世界で訴えられている今だから、日本でも同じような結果が出るのではないかと思いました。治部先生からはフェミニズムのなかでも性産業への考えによる派閥があることを教えていただきました。私が今回取り上げている「セックスワーカーの権利を守ろう」派閥のSWASHという団体の代表である要友紀子さんが書かれた本を読んでみようと思います。
粂川桃帆(3年生)
治部先生のゼミの方々のお話を聞き、日本にはない中国のジェンダー問題について知ることができました。中でもフェムバタイジングとして、広告の内容やキャッチコピーを個人規範的かつ政治的に正しいものにするというのが強く印象に残っています。グループに分かれてお話を聞かせてもらった際、「政治的に正しい」というのはどのように判断しているのか質問したところ、実際に女性に話を聞くなどの調査をしているとおっしゃっていました。政治的な意見は変化しやすいものであるため、データや調査に基づいて広告を作ることは現代において重要な工程だと実感しました。
また、留学生の方が紹介していた、西武そごうの「パイを投げつけられた女性」の広告に対し批判があるということを聞いた時、私はその広告に対しマイナスの感情を抱かなかったため、批判がどういう意図でなされたのか考えてみました。この広告を見て私が感じ取ったのは男女関係なく個人を見るべきだという考えです。私は男女は平等であるべきだという意見には強く賛成しているので、このメッセージ自体に批判される要素はないように感じました。しかし、不当な扱いを受ける側であった女性がパイを投げつけられて、主張することが「個人の自由」である点に違和感を感じる、という意見があることを知り、炎上したことに納得がいきました。このことを踏まえ、メッセージ自体の良し悪しだけでなく、それをどう伝えるかにも熟慮する必要があることを学びました。
田口輝歩(3年生)
合同ゼミということで同学の他ゼミ、他学生のかたとの交流を深めることができて刺激になりました。特に最後の座談会ではユーさんからの中国と日本のジェンダー問題に関する違いと同じところを伺うことができて、国家間の違いがあらためて面白いなと感じました。MOTHERHOUSEの社長にフォーカスをあてて記事を書くならばライフワークバランスについて言及するべきというアドバイスも頂き、とても有意義な時間になりました。
小森ゼミの皆さんと治部れんげさんの皆さんの研究についてのお話を聞き、自分もいつかこのように研究対象を見つけて卒論を書く時が来ると思うとよりいっそう頑張らなきゃという気持ちになりました!
矢島ありさ(3年生)
今回多くの方の研究や意見を聞くことができ、とても有意義な時間を過ごすことができました。まず小森ゼミの方々の発表についてですか、回の中で最初に発表されたにも関わらず、堂々とした発表態度が素晴らしいと感じました。今井ゼミは発表の順番が最後のほうでしたが、私は何を話すか整理できておらず、焦って上手く話せなかったので、先輩方の姿がとても刺激的で自分もこうならなくてはならないと思いました。
治部ゼミの方々の発表では普段自分たちが取り扱っているテーマと似たようなテーマの中で、中国の視点を知ることができてとても面白かったです。特に「フェムバタイジング」については自分のゼミで運営している英文サイトPaletteのテーマと近い題材だったのでとても興味深かったです。特に、「美容効果を伝えるのとジェンダー平等を両立させた広告をつくるのはとても困難である」といったような話題が出てきたのがとても印象的でした。商品を売るために、広告では「肌がきれいになる」「飲めば瘦せる」などの文言をよく目にしますが、これらはルッキズムを助長すると近年問題として挙げられているのをよく目にします。しかし自分が消費者側に立った時、このような文言をつけられている商品を魅力的に感じてしまうのも事実だと思います。
また、治部先生もある対談の中でおっしゃられていたのですが、女性がきれいになりたいと思う気持ち自体は否定されるべきものではありません。現在、広告を1つ作るためには様々な配慮があたりまえに求められているのだなと強く感じています。その中で今回のお話はとてもためになりましたし、自分の記事のために、そのような視点からももう一度よく考えてみようと思いました。今回時間の関係で皆さんとのディスカッション部分に参加できなかったことがとても心残りでした。次回同じような機会があったときには必ず参加して自分の意見をしっかりと伝えられるようにしたいです。
市川真珠(3年生)
普段お会いする機会のない方々のお話をお聞きする貴重な機会をいただき、参加できたことをとてもうれしく思いました。みなさんの研究について聞くことができ、視野が広がりました。中国と日本では、中国の平均初婚年齢や女性の仕事と家庭の両立の問題は似ていると感じましたが、大学院卒の女性が増加していることやクリスマスにリンゴを食べるなどの文化は知らなかったことがあり、似ている部分と全く違う部分があって興味深かったです。特に中国では大学院への進学を希望する人が多いとエンさんがおっしゃっていて、日本に来て日本の大学生はほとんどの人が就職を希望することに驚いたとのことでした。中国と日本は似た問題があっても違う背景を持っているので、そこが興味深いなと思います。
治部ゼミの方々は一度社会人を経験してから東京工業大学院になった方もいらっしゃり、ご自身の経験から感じた違和感などから研究テーマを考えていて、社会に出て疑問に思ったことをなあなあにせずに行動することがすごいなと思いました。
坂東文佳(3年生)
合同ゼミで同世代の新しい視点の意見をたくさん聞くことができ、とても貴重な時間を過ごすことができました。日本と中国のジェンダー問題に対する考え方の類似点や相違点がとても興味深かったです。一番印象に残っているのは西武・そごうの炎上した広告に対する意見です。私はこの広告を見た時、女性が強く生きようとしている印象を受け、悪い広告だとは感じませんでした。
しかし、治部ゼミの生徒の方はその広告が政治的によくない内容だったため驚いたとおっしゃっていました。また、その学生さんは「もしそのような広告を出す場合は次の広告も同じ内容を訴えるように一貫性を大切にするべきである。」とおっしゃっていました。このように合同ゼミから自分の考え方に新たな視点を取り入れることができました。
中村早希(3年生)
合同ゼミでは、留学生の方や小森ゼミの方の話を聞いて様々な意見を聞くことが出来て勉強になりました。留学生のお話を通して、中国と日本は同じアジア圏だけれど、日本と異なる点もありました。印象に残っているのは苗字の付け方です。中国では夫婦別姓であることや、子供が生まれた場合、1人目は父親の姓、2人目は母親の姓にするなど兄弟で姓が異なるということに驚きました。日本では夫婦別姓は認められておらず、大半が夫の性を選択しているので、日本はジェンダー平等において遅れていることを改めて感じました。
また留学生の方とのディスカッションでは、フェムバダイジングについて深く話を聞くことができました。リュウさんから、おすすめの広告として、SK-IIの「婚活マーケットを乗っ取ろう」というプロモーション動画を紹介してもらいました。動画内容は、女性は独身だと半人前とされる中国社会で議論を呼んでいるテーマのひとつ「剩女(残りものの女性)」についてでした。この広告は中国のものでしたが、日本でも女性は結婚や子供を産まないといけないという風潮があると感じているので、共感するものがありました。女性を元気付けるような内容で感動しました。また留学生の方々は日本語が本当に上手でびっくりしました。私も英語を頑張ろうと刺激を受けました。
平田紗瑛(3年生)
留学生の方と関わる機会や、他学科の方と交流する機会はなかなかないので、今回の合同ゼミはとても新鮮で刺激のある時間でした。また、今後自分の専門にしたい分野について色々調べ見つけたり、何気ない会話をするための基礎知識を身につけたりしておきたいと感じました。今回の合同ゼミを通して、留学生の方とジェンダーについて話し合った際に、自分の意見や主張を持っていたことが素晴らしいと感じました。私は自分のした質問に対し、自分がどう感じるか・どう考えるかという明確な意見がなかったので、疑問に対し自分の考えを持つ習慣を付けようと感じました。
そして、ディスカッションの時間では、Paletteの記事についてのコメントもいただき、自分では気づかなかった視点や考えを共有してもらえたことがとても嬉しかったです。記事を書くにあたって大変参考になったので、合同ゼミで学んだことを踏まえて良い記事が書けるようにしていきたいと思います。今回は、合同ゼミを企画していただき、ありがとうございました。またこのような機会を設けていただくことができたらとても嬉しいです。