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BAA-SWU JOINT SUMMER PROGRAM 2025 第6弾!

BAA-SWU Joint Program 2025、6日目になりました!

今回は、国際学科2年の青木と3年の水島がお送りします。

6日目はキャンパスでの授業で、デンマークの視点から経済やワークライフバランスについて考え、ディスカッションをしました。

まず、ビジネス・アカデミー・オーフス(BAA)のDaniel Jeppesen先生の興味深いお話を紹介します。

デンマークでは、政府から大学への支給額は、何人の生徒が試験を通過したかによって変わり、成績の良い生徒が多ければその分支給額が増えるそうです。この仕組みによって、短期的には学校がたくさんのお金を得るために、学生をいい成績にするということで利益に繋がりますが、長期的に見ると学生は、頑張らなくても良い成績を得られることとなるため、職を得てもスキルを活かせない、などデメリットが生じます。日本では、多くの場合、教育の費用が無料ということのいい面が取り上げられますが、お金のみに焦点を当てるのではなく、教育が持つ価値を改めて考えなければいけないと思いました。

ESG and the Finance Sector についての講義

次に、本学大学院福祉社会・経営研究科の太田行信先生の授業では、主に以下の3つのトピックについて学びました。

1. コーポレーションとは何か

2. 日本とデンマークの企業内の典型的な構造

3. 企業ガバナンス(経営の在り方)に関するケーススタディ

個人的に印象深かったトピックは3番目です。アクティビスト(投資家)vs 経営陣の例として、Third PointとSonyの事例が取り上げられました。

Third Pointは、アメリカの著名なアクティビストファンド会社です。企業の株式を大量に購入して、経営改革や戦略変更を株主の立場から要求するスタイルで知られているそうです。Third PointがSonyの株式を大量に買い集め、Sonyの経営方針に口出ししたことから対立が起きました。

この事例から学べることは、アクティビストは、企業の価値を上げるために経営に圧力をかけてきますが、そう言った場合、経営陣は株主の声を無視せず、説得力のあるビジョンを持って対応する必要があるということです。大切なのは、「ただ戦う」のではなく、「どこまで受け入れるか」という線引きのバランスが問われるということがわかりました。

最後に、BAAのKaren Iversen先生の授業では、デンマークの女性の働き方やワークライフバランスについて学び、日本との違いをディスカッションしました。

さすが、世界幸福度ランキング2025で2位だったデンマークのワークライフバランスからは学ぶことがたくさんありました。その中でもシンプルで印象的だったことは、デンマークでは有給休暇を惜しみなく利用することです。有給休暇の取得率はほぼ100%で、仕事とプライベートをはっきり分けて生活しているそうです。一方日本では、有給休暇取得率は65%ほどとなっており、年々増加していますが政府目標の70%には到達していません。この背景には、「有給休暇中に、自分の仕事が他の誰かに周ってしまい、迷惑をかけてしまう」などといった社会的プレッシャーがあると考えられます。

今後、日本のワークライフバランスも、デンマークのような良い例から改善策を講じられたらいいかもしれません。

Work-life Balanceについての講義