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TAからの手紙~1年基礎ゼミを担当して~:⑫完 猪又彩加(1A担当)

皆さん、こんにちは。自称PR担当教員の前田です。
「TAからの手紙」、十二人目(最後)は1Aを担当した猪又彩加さんです。

★TAを志望した理由
 TAは他大にはない珍しい制度で普段なかなかできない経験だったため、絶対にやってみたいと思っていました。私は人前に立つことには慣れていても、いざ立ってみると緊張したり、伝えたいことが簡潔に話せなかったりします。人前に出るときはいつも落ち着いて見えるようですが、実際には緊張していて、結局、毎回勢いで乗り切っていました。TAの経験を通して、尊敬する先輩や先生のようにいつも堂々と落ち着いて振る舞えるようになりたいなと思い、TAに立候補しました。

★TAをやってみて
 初めて授業をした時は自分が思っていた以上に緊張しました。サブでついている時も上手く巡回することができなくて、何をしたらいいのか分からなかったです。初めてレビューを話している時、自分の話に耳を傾けてくれている1年生の真剣な眼差しには緊張しましたが、とても嬉しかったです。学生が毎回書く基礎ゼミノートに、私が伝えたことをメモしてくれていた学生がいると知った時も嬉しかったです。そしてなにより責任感とやりがいを感じました。

 私たちTAはこの講義を学生として経験していなかったため、限られた時間の中で授業を運営することに焦る中、1年生が楽しく学習できているのか不安でした。最初は、グループワーク討議が上手く進むように、話す順番を誕生月順や、早起きした順などきっかけを与えたり、指名をして発表してもらいました。

 Aクラスは真面目で落ち着いた学生が多かったため、本当に最初はお互いに緊張した雰囲気だったのですが、TA4人でいい雰囲気で授業が進むように考えていたため、徐々に積極的に発言してくれる学生は増えてきたときはとても嬉しかったです。最初はマニュアルに細かくたくさん書いてあったメモも、自然と減っていきました。緊張しないように準備をするというよりは、何を伝えようか、どんな話をすれば身近に感じてくれるかを考えるようになりました。今までお世話になった先生方の大変さも少し分かった気がします。

★TAを目指す学生へ
 TAは普段なかなかできないので、学生時代に何か挑戦したいと思う学生にピッタリな経験だと思います。私はなんでもやってみようと思う志向なのですが、つい自信がないからと目を背けてしまう学生にとっても、自己成長につながるきっかけになると思います。TAは難しいことを教えるのではありません。だた、だからといって誰でもできるというわけではないです。ワークやレビューは決まっていても、どうすれば学生に伝わりやすいのか、どうしたら学ぶきっかけになってくれるのかを考えるのは自分自身です。今まで学生時代、アルバイト、サークル、授業でのグループワーク、その他の多くの経験が学生に学びを伝えるためのきっかけになると思います。

 これからTAになりたいと思う学生は、これからもぜひたくさんの人と関わる経験をしてTAに活かしてほしいです。また自分対学生だけではなく、同じクラスを受け持つTAたちとの関係性も学びの機会になります。4人で力を合わせていいクラスの雰囲気づくりを心がけてみてください。

★1年生へのメッセージ
 大学生にもなってこんなことわざわざ教材を使って学ぶことなのか、と思った学生もいたかもしれません。しかし私は1年生の時に自分が学生側になって学んでみたかったなと思いました。大学に入って様々なバックグランドや自分とは違う考えを持つ学生がいるなと思いました。きっと皆さんもグループワークや普段の私生活でも感じているはずです。もし授業として少しでもジェネリックスキルについて考えるきっかけがあったなら、今までの授業でのグループワークがもっと円滑に進んだのかな、と思ってしまいました。私もあの時こんな対応ができていればよかったのかなと教えながら思っていました。

 Aクラス担当の私たち4人のTAは、今まで学んできた環境も経験はもちろん異なります。毎回それぞれのレビューがあったかもしれません。サークル、ゼミ、アルバイト、今までの中高生のクラスとはまた違う組織の中で悩むことがあると思いますが、私たちが伝えたことはきっと役に立つはずです。グループワークにおいては、目に見える積極性が良いというわけでは決してありません。時には冷静に判断し、一回立ち止まって考え直すことも必要です。常に円滑に進むことが良いというわけではなく、お互いの個性が活かされたアイディアの方がずっと磨きがかかったものができると私は思っています。

 自分の持っている積極性、柔和な雰囲気、まとめ上手、話し上手、反対意見を主張できる勇気、イラスト上手、など何か授業で気づいた個性があればこれからの学生生活に活かしてください。そして何度もお伝えしたかもしれませんが、自分には不得意だから、時間がないからとすべて他人任せにするのではなく、少しでもできることはないかと仲間のために考えることを忘れないでほしいです。

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 これで、「TAからの手紙~1年基礎ゼミを担当して~」の連載は終了です。
 在学中の2年生、1年生の皆さん。先輩の活躍に続いてくれることを願います。
 受験生の皆さん。当学科には、こういう貴重な機会があることを知って頂けたのであれば、幸いです。