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【留学レポート】フィリピン通信 vol.3

フィリピンに留学中の平尾ゼミナールの神山ひかるさんから留学レポート第三弾が届きました!

是非、ご覧ください。

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<研修での気付き>

研修は大変なことの方が多い。下手な英語のおかげで研修先の人たちとの意思疎通 に時間がかかったり、自分の至らなさに申し訳ない気持ちと恥ずかしさで毎日のよ うに沈み、自暴自棄になることも多々あったのだけれど、思い返せば返すほど、周 りにはたくさん心配してくれる人、手を差し伸べてくれる人、アドバイスや応援の 言葉をくれる人がいて、その方々のお陰で少しずつ前進できているんだと実感し た。大学ではフィリピンに来る前から受けたかったCommunity Developmentという 授業をとったが、かなり悪戦苦闘している。歴史や経済等あらゆる側面から国の発 展、貧困問題を分析し、解決法を見つけ出すことが授業のゴールである。教科書を 読み込み、予習にかなりの時間をかけないとついていけないのだが、初対面のボキ ャブラリーが多く更に時間がかかる。プレゼンもいくつかあるので、グループの足 を引っ張らないように、最後の授業までついて行きたい。

<フィリピンの授業風景>

フィリピンの政治や文化はアメリカの影響をかなり受けているが、授業のスタイ ルにおいてもそれは言える。授業は先生と学生が対等の立場で作られ、とてもリラ ックスした状態で進められる。生徒だけでなく先生も片手にドーナツを持って授業 をしているのには驚いた。コミュニケーション論の授業で扱うテーマはフィリピン で社会問題とされている話題を取り上げる事が多い。例えば、「大麻の合法化」 「若者の自殺」「婚前交渉の可否」などがあり、宗教や科学、様々な視点で議論が 進められる。先生は常に生徒に「Why?」と問いかけ、反対意見も賛成意見も遠慮 なく飛び交う。個性が強く自信を持って発言をする生徒が多いので授業はいつも刺 激的だ。 また、フィリピンの学生はとてもプレゼンが上手く、多くの学生は人前で話すこと に慣れており、とてつもなく高いクオリティの寸劇(アドリブも上手い)を披露し たり、全員が参加できるアクティビティを織り交ぜながら発表したりと、エンター テイメント性の高いプレゼンをしっかりと用意する。おそらく、彼らは幼い頃から 人前に立つ訓練を受けてきたのだろう。オーディエンス側もとても積極的で温かい ので、皆”スベる”ことを恐れずに発表できているように感じる。

<フィリピンでの部屋探し>

7月下旬、住んでいる学生寮のリノベーションの為に引っ越しを命じられた。フィ リピンに来て早くも2度目の引っ越し。せっかく今の部屋が落ち着ける場所になっ たのに、と不満を言う間も無く次の家を考えなければならなかった。UP大学内の新 しくできた寮を勧められたが、フィリピン人の生活風景をより近くで観察できるい い機会なのではと思い、財布と相談しつつ、UPの外に出ることにした。 日本ではインターネットで写真を見ながら部屋探しをするのが当たり前であるが、 こちらでは”Rent for room”のサインが出ている家の門をひたすらノックして回る。 上半身がタトゥーだらけの厳ついおじさんが出てきたり、白髪染め途中のニコニコ したおばちゃんが出てきたり、人との出会いも含め、部屋探しはなかなか面白かっ た。 学生向けのアパートでは2~4人のシェアルームが一般的で、ほぼ寝る為だけの部 屋という感じだ。生活感が溢れていて正直汚い、日本人の感覚だと、よく貸せるな ぁという部屋ばかりだった。あと半年住むことを考えると、慎重に選びたくて初め は色々部屋の条件を挙げていたが、回っていく内にこだわっている自分が馬鹿らし くなった。10件程回った所でフィリピンの暑さにやられ、総合評価の高い部屋に 決めた。 勿論、フィリピン生活は少しお金を出せば、十分に安全で贅沢な暮らしができる。 月5万円程でジムやプール付きのマンションにだって住める。ただ、この研修をす る以上、限られたモノ、与えられたモノの中で幸せを感じて生活する方法を自ら見 つけ出さなければならない。その為には、モノの長所に目を向けること、欠点だと 思われるモノを如何にポジティブに転換できるかが大事だということをこの部屋探 しを通じて改めて実感した。実際に住んでみて数日経つが、この心持ちのおかげか まぁまぁ楽しく暮らせている。 暑い中部屋探しに付き合ってくれたフィリピン人の友人にはとても感謝している。

<見たことのないフィリピン>

8月、大学の1学期が始まったばかりで、自由な時間も多かった。そのため、今 月は友人と共にフィリピン本島の観光地をいくつか巡ることができた。中でも私が 特に気に入った場所はバギオという都市だ。マニラから北へ、バスで7時間ほどの 所にあり、平均気温は20度ととても過ごしやすい人気の避暑地だ。夏期は政府機 関がマニラから一部移動することから「夏の首都」とも呼ばれている。バギオの歴 史には日本も大きく関与しており、第二次世界大戦中、フィリピンの中でも発展し ていたこの街は、日本軍の主要な標的となった都市で、多くの人が命を落とした場 所でもある。到着してすぐに気が付いたのは、街の静かさと綺麗な空気。マニラで はそこかしこで鳴っていたクラクションの音が、バギオでは雨で道路が渋滞してい ても殆ど聞こえなかった。安価なホステルなのに温シャワー、何度タクシーに乗っ てもぼったくられることもないし、新鮮で種類豊富な野菜が食べ放題。実は旅の数 日前に大風邪をひき、病み上がりだったのだけれど、ストレスフリーのバギオのお かげで体調も完全復活できた。束の間の平安だったが、とても楽しくリラックスで きた旅だった。7千以上の島と170の言語(方言)があるフィリピンは島それぞ れが違った魅力を持っている。残り5ヶ月、様々な土地を訪れてその違いに触れて みたい。

平尾ゼミナール 神山ひかる