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こんにちは。教員の今井です。
11月11日に、Japan Timesの大門小百合・執行役員をお迎えして特殊研究講座「英文報道の現場で考える~ダイバーシティーとフレキシビリティーのススメ」が開かれました。
会場となったコスモスホールは、ビジネスデザイン学科に在籍する3学年が勢ぞろいして、ほぼ満杯。大門さんは、親しみやすい語り口で、ご自身のキャリア形成から国際社会の「価値観」の在り方まで、テンポよく話してくださいました。
Japan Timesは1897年創刊。開国、明治維新を経験した日本が国際社会に出ていくにあたって突き当たったのが「言語の壁」。そこで海外の人々に日本を知ってもらうことを目的に発刊されたのが、日本初の英字新聞Japan Timesでした。
同紙の記者として、英字新聞はどういう読者を対象に、どんな切り口で記事を書くのか、具体的にどういう英語を使うのか、さらには、日本と海外とのパーセプション・ギャップなど、大門さんの講演は冒頭からプロの現場ならではのトリビアが満載です。
さらにご自身のキャリア形成について、ハーバード大学への留学やサウジアラビアでの研究のご経験に加え、そうしたことが記者としてのご自身に与えた影響についてご紹介くださいました。
特に、外国語で日本を報道し、さらに欧米型の教育とアラブ世界の価値観とをつぶさに見てこられたご自身のキャリア形成をもとに語られる「ダイバーシティーの尊重」はパワフルで、それが同紙で初めての報道部長となってから導入したフレキシブルなマネジメントへの改革にもつながっていったことがうかがえました。
最後に、ビジネスデザイン学科の学生に向けて、メディアに女性の視点がはいると報道にはどういう変化が出るのか、今後の数十年間に予想される社会の変化は何か、だからこそどういう心構えが必要かについて、大門さんから学生に向けて心に響くメッセージで締めくくってくださいました。
ご講演で大門さんは、今年1月にフランスで起こった「シャルリー・エブド社」襲撃にも触れ、現在の社会で起こっていることに対する学生たちの感度を刺激してくれました。くしくもこの講演から2日後の11月13日に、パリが新たな連続テロに見舞われる悲劇があり、私たちが何気なく過ごしている一日一日が実は激動していることを実感させられたことでした。だからこそ、日々の出来事を無為に見逃すことなく、身の回りから多様性(ダイバーシティー)への寛容と柔軟性(フレキシブル)な対応力を身に着けていきたいものです。